祗是未在

ソゾタケの仏像日記

下宝沢 蔵王大権現(山形県山形市)―3mを超す大迫力の蔵王権現

      2015/10/06

下宝沢蔵王大権現前の道

山寺から2つほど峰を超えた南側に下宝沢(しもほうざわ)という地区がある。ここはかつては蔵王山へと向かう参道だった。今では表ルートではない道になったが、やはり今でも蔵王山へと向かう道がある。

その道を山へと進んでいくと、鳥居と「蔵王大権現」と書かれた石碑が道端に現れる。

下宝沢蔵王大権現入口

鳥居をくぐってゆるやかな坂を上がると、奥には蔵があり右手には立派な民家がある一般の家の中庭に入ったかのような気持ちになるが、この蔵の中に、お目当ての蔵王大権現がいる。

蔵王大権現の入る「蔵」のようなお堂

管理人の方に許可をいただいて「蔵」を開けていただく。

中に入ると、正面に立派な厨子のようなものがあり、幕の下に大きな足だけが見える。すでに巨大さがこれだけでも十分に伝わってくる。しかしそこからは足以外は全く見えない。

蔵王権現の足

厨子のすぐ前まで行き、下から覗くようにすると、巨大な蔵王権現がカッと目と口を開いて私を見下ろしていた。思わず「うわぁぁぁ!」と声を挙げてしまう。

 

蔵王権現立像 像高3.64m 桜材

蔵王大権現

とにかく大きい!

下から覗きこむように見上げるという状態がまた演出効果を高めているとも言えるが、それにしても大きい。

3つの目には玉眼が入っているようだ。身体は青ではなく黒い。身体にまきついている条帛だけではなく、振り上げた独鈷杵まで赤い。

腕も足もかなり太く、迫力満点だ。

Shimohozawa_07

 

蔵王権現の足

昨年秋に蔵王権現の本家・金峯山寺(奈良県吉野)の7mを超える超巨大な3体の蔵王権現と向き合ってきた。さすがに本家はものすごかった。あちこちでいろいろな蔵王権現に会うが、本家・金峯山寺を除けば、この蔵王大権現ほどの迫力をもった蔵王権現はいないかもしれない。

金峯山寺像もそうだが、蔵王権現と言うと斜め下あるいは正面を見据えている。しかしこの像は完全に真下を見下ろすように作られている。お蔵のようなお堂に窮屈に厨子に入り、仕方なく下から見上げるしかないような状態になっているのかと思ったが、実はもともと現在のように下から見上げるように作られているのかもしれない。

蔵王大権現

説明板を読んでも、この像がどんな時代のものなのか詳細はよくわからなかったが、この像には会う価値がある。山寺に行くならば、ぜひこの蔵王権現にも会いに行かれることをお薦めしたい。

 

下宝沢 蔵王大権現

山形市大字下宝沢614
TEL:023-629-2997(拝観は予約が望ましい)
拝観料:志納
駐車場:鳥居をくぐって登ったところに置くことができる(無料)
※管理人の方の私有地ですので、連絡して確認

Loading
地図の中心へ
交通状況
自転車で行く
乗換

 - 寄木造, 神仏習合, 地方仏, 仏像, 山形県

Comment

  1. yamataka より:

    やはり写真があるのとないのでは全然ちがいますね。少しでも写真可の寺院が増えるといいです。
    このサイトを見て7月に「慈恩寺」の御開帳を見にいった時、「下宝沢蔵王大権現」も見てきました。
    台風の土砂降りと雷のなか自転車で行った甲斐がありました。ド迫力でした。良い情報有難うございました。

    この仏像の制作時期ですが、山形市教育委員会が出している「ふるさとの仏像」によると、
    頭部:室町時代以降(15世紀) 体部:江戸時代後期以降(18世紀)木造寄木造で内刳、首は差首だそうです。
    ここの写真で知ってはいたけど私も金峯山寺の蔵王権現以来の衝撃でした。
    やはり現場には行ってみるものですね。

  2. butszo より:

    >yamataka様

    ブログをご覧頂き、本当にありがとうございます。

    写真があると違いますよね。お寺さんからすればいろいろと難しい部分も多いと思うので、
    可能であればありがたいなぁ、という気持ちでいつも聞いてみることにしています(笑)
    幸いにして許可していただけた時は、その仏像の素晴らしさを、ブログを見てくれた方々に
    できる限り伝えられるような写真を撮りたい、という思いでカメラを向けさせていただいています。

    それにしても、土砂降りの中であそこまで自転車で行かれたとは驚きました!ずっとゆるやかな上り坂ですし
    かなり大変だったとお察しします。あの怖い蔵王権現さんも、さすがにいつもより温和な顔で迎えて
    下さったのではないでしょうか(笑)

    像の時代、構成について詳細情報、本当にありがとうございます。頭部が室町、体部が江戸なんですね。
    ようやくスッキリしました。

    今後ともどうぞよろしくお願いします。

  3. 髙橋 司 より:

    このブログのおかげで、蔵王権現様を拝顔する事が出来ました‼︎
    写真を撮りたかったのですが、恐れ多くて撮れませんでした。
    お願いがあるのですが、このブログのリンクを私のブログに貼らせて頂いてもよろしいですか⁇

    ちなみに、私のブログはアメブロでシャンティのブログと言うで、山形県内の癒しのスポットや神仏様の霊場などを紹介させて頂いております。
    よろしくお願い致しますm(_ _)m

  4. ソゾタケ より:

    >髙橋司さま

    ご覧頂きましてありがとうございます!本当に素晴らしい蔵王権現様ですよね。
    あの圧倒的な迫力、下から見上げるという”演出効果”で、見上げたまま全く
    動けなくなった記憶があります。またぜひ拝観したい仏様です。

    リンク、もちろんです!山形へは、昨年、一昨年と訪れてすっかり気に入ってしまいました。
    また間違いなく訪れると思いますので、その時のためにブログを拝見したいです!
    ぜひURLを教えていただきたいです。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

大日如来上半身
阿日寺(奈良県香芝市)— 恵心僧都生誕の地に広がる来迎ワールドと独特な魅力を湛える大日如来

恵心僧都・源信といえば、『往生要集』を著したことで知られる。この書は、後に法然や …

如意輪観音やや左前から
方外院(山梨県南巨摩郡身延町)— 謎多き魅力的な如意輪観音

この像はとにかく腕が細く長いのが最もインパクトがある。如意輪観音は密教系の寺院でよく見かけるスタイルと同じであるものの、見慣れた如意輪観音像は、大阪・観心寺像を始めとして、もっとこう、丸っこいふくよかなイメージである。
顔は面長で、頬はふっくらとしている。かなり暗いので肉眼ではなかなかよくわからなかったが、写真に撮って見てみると半眼であることがわかる。頭上の宝髻はかなり簡略化されており、冠を載せるためなのか後補なのかは不明である。唇はやや厚めでキュートな雰囲気が出ている。このあたりは観心寺像に女性を感じるのと同じなのかもしれない。

内陣
極楽寺(東京都八王子市)― 微笑んで来迎!歯吹きの阿弥陀如来

  多摩地区は戦災などの影響が都心に比べると少なかったことで、多くの仏 …

薬師如来 左側から
大日寺(鳥取県倉吉市)— 凜々しき阿弥陀如来と衣紋美しき薬師如来

倉吉には多くの素晴らしい仏像が遺されているということは調べていてよくわかったのだ …

阿弥陀如来横顔
保昌寺(宮城県刈田郡蔵王町)―平泉文化に通じる丈六阿弥陀如来

  蔵王温泉では、「四季のホテル」というところに宿泊したが、とても良か …

吉祥天 上半身
地福院(静岡県河津町)— 破損しつつも女性らしき暖かさと美しさを感じさせる吉祥天

南伊豆の河津と言えば、何と言っても河津桜であろう。ソメイヨシノなどの桜よりも1ヶ …

弥勒如来 胸から上 左側から
弥勒教会(茨城県笠間市)— ゴージャスな衣紋をまとった堂々たる弥勒仏立像

関東一都六県のうちの一つである茨城県というと、水戸納豆と水戸黄門のイメージが強い …

千手観音立像
智満寺(静岡県島田市)— 存在感溢れる個性豊かな千手観音

静岡県には新幹線や東名高速が通り、東京から西へと向かう人たち、もしくは西から東京 …

楽法寺山門
楽法寺(茨城県桜川市)— 引き込まれる異質な雰囲気の雨引観音

日本には数多くの巡礼というものがあるが、お遍路さんと並んで最も著名なのが百観音巡 …

鑑真お身代わり像
冬の唐招提寺(奈良県奈良市)—和上の寺 新しく迎えたお身代わり像

  東大寺法華堂の修理が終わり、今年は3年ぶりに12月16日の良弁忌に …