仏像– category –
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東高尾観音寺(鳥取県北栄町)【後編】— ひしめく個性豊かな破損仏群
(前編よりの続き) 東高尾観音寺収蔵庫には、全部で45体もの破損仏が並べられていて圧倒されるが、前編でご紹介した印象的で引き込まれる大きな千手観音と、素朴ながらも美しい表情の十一面観音の2体の仏像の他にも、数多くの破損仏が安置されている。今... -
東高尾観音寺(鳥取県北栄町)【前編】— 妖しい魅力の千手観音立像と素朴で美しい十一面観音立像
東高尾観音寺は、大日寺のひとつ峰を越えた北側にある。車なら10分とかからない距離なのであるが、一旦、倉吉の町へと車を走らせる。というのも、ご住職は近年、交通事故に遭い、足を不自由にされたということで、お迎えに行くことになっているのだ。 近く... -
大日寺(鳥取県倉吉市)— 凜々しき阿弥陀如来と衣紋美しき薬師如来
倉吉には多くの素晴らしい仏像が遺されているということは調べていてよくわかったのだが、なぜなのだろう?と思った。その多くは倉吉市の西方にある。今は大山からの裾野の丘陵地帯と、川に沿ったのどかな田園地帯が広がっている風景である。 実はこの地域... -
大滝山地蔵院(鳥取県倉吉市)— 静かな温泉地を見守る半跏の丈六地蔵菩薩
城崎に泊まった翌日は鳥取へと抜け、三佛寺へと向かったが、ゲリラ豪雨に見舞われ、準備万端だったにも関わらず、入山禁止で投入堂登拝は叶わなかった。幸いにして、修理が完了した秘仏本尊・阿弥陀如来立像(藤原時代)がご開帳されていたために拝観でき... -
温泉寺(兵庫県豊岡市)— 優美な平安仏を有するロープウェイと直結した山中の名刹
子どもの頃から18きっぷやフリーきっぷ、周遊券などを使って日本全国に出かけていたのだが、山陰にはあまり訪れていない。おそらく3回ほどしか行ってないのではないだろうか。それも、出雲や境港など、限られたポイントでの周遊をしてきただけだ。 今回は... -
中染阿弥陀堂(茨城県常陸太田市)— 素朴ながら堂々たる等身大の鉄仏阿弥陀如来
水戸藩であった現在の茨城県では、明治時代だけではなく、元禄期にも徳川光圀による神仏分離政策からの凄まじい廃仏毀釈が起きていたことは前回のエントリや菊蓮寺のエントリで取り上げた通りであるが、そうした災難の中、素晴らしい仏像が地域の人たちの... -
弥勒教会(茨城県笠間市)— ゴージャスな衣紋をまとった堂々たる弥勒仏立像
関東一都六県のうちの一つである茨城県というと、水戸納豆と水戸黄門のイメージが強い場所であろう。その水戸黄門はドラマの影響もあり、勧善懲悪のスターのように考えられているが、少なくとも仏教にとってはそうした存在ではなかった。菊蓮寺のエントリ... -
西念寺(奈良県天理市)— 宿院仏師の凜々しくも美しい長谷寺式十一面観音
宿院仏師。仏像好きでも、この名前をあまり耳にしたことがない人は多いだろう。かく言う私もつい最近まで全く知らなかった。 宿院というのは地名であり、現在の奈良の宿院町、奈良女子大学の南のあたりのことである。もともとは藤原氏のための春日...