藤原時代– category –
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藤原時代普門寺(山梨県山梨市牧丘町)— つるっとした素朴な薬師如来の目の謎
山梨県には素晴らしい仏像がたくさんあるが、山梨の文化財の仏像は、ご開帳日を春に設定しているお寺が多いというイメージがある。今回は毎年3月最終日曜日にご開帳される山梨市牧丘町の普門寺を訪れた。発達した低気圧と前線が列島通過中ということで雨模... -
平安時代観音の里の祈りとくらし展 (東京藝術大学大学美術館)
湖北、という言葉を聞くと、いつもほんわか暖かいものが胸に広がる。かつては実家に帰省するたびに車を走らせ、関ヶ原から伊吹山の南麓を通っては湖北へと通っていたものだ。滋賀県、琵琶湖の北西・湖北の地は「観音の里」と称されるように、平安時代の観... -
藤原時代方外院(山梨県南巨摩郡身延町)— 謎多き魅力的な如意輪観音
この像はとにかく腕が細く長いのが最もインパクトがある。如意輪観音は密教系の寺院でよく見かけるスタイルと同じであるものの、見慣れた如意輪観音像は、大阪・観心寺像を始めとして、もっとこう、丸っこいふくよかなイメージである。 顔は面長で、頬はふっくらとしている。かなり暗いので肉眼ではなかなかよくわからなかったが、写真に撮って見てみると半眼であることがわかる。頭上の宝髻はかなり簡略化されており、冠を載せるためなのか後補なのかは不明である。唇はやや厚めでキュートな雰囲気が出ている。このあたりは観心寺像に女性を感じるのと同じなのかもしれない。 -
藤原時代犬山薬師寺(愛知県犬山市)— ようやく会えた平安仏とグルーブ住職の寺テクノ法要
今回、年越しで帰省せずにこのタイミングで帰省したのは、この薬師寺でのご開帳に合わせるということが主な理由であった。そんなことなの?と言われるかもしれないが、少しばかり重要な話なのである。一昨年の5月、所要で実家に帰省した時、例によって時間... -
藤原時代可児郷土歴史館(岐阜県可児市)— 優美な大日如来坐像
素晴らしき仏像ワールドであった円明寺を辞して、すぐ近くにある可児市郷土資料館へと移動する。円明寺があまりにも充実していて2時間も長滞在してしまったことで、ギリギリセーフの時間になってしまった。駐車場には1台も止まっていない。いや2台ほど、若... -
藤原時代円明寺(岐阜県可児市)【前編】— 土岐氏由来の古刹に展開する仏像ワールド
岐阜県可児市は私の出身地である愛知県犬山市と県境を挟んだ隣であることは前回のエントリでも書いたとおりである。私が小学生の頃はまだ可児郡可児町で、市民の私は、「まぁ町民だしねぇ」と子どもらしいバカな考えをしていたら、名古屋のベッドタウンと... -
弘仁・貞観時代願興寺(岐阜県可児郡御嵩町)— かつての繁栄を物語る素晴らしき仏像群
岐阜県はかつては文化薫る街道沿いの街であった、と、このブログでも繰り返し書くということは、つまりそれは今は昔ということの裏返しでもある。今回取り上げる可児(かに)郡にある中山道の宿場であった御嵩(みたけ)や、信長の重臣・森可成の居城とし... -
藤原時代浄土寺(岐阜県岐阜市福富)— 頭の大きな平安仏と、つるっとした鎌倉仏
私の地元は愛知県犬山市である。ここには国宝4城のひとつである犬山城や明治村など、数多くの観光地があり、関東でも知っている人は多い。しかしそこが愛知県であるということを知っている人は実はそんなにいない。皆さん岐阜県だと思っていらっしゃるよ...