近畿地方– category –
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「観音の里の祈りと暮らし展Ⅱ—びわ湖・長浜のホトケたち—」(東京都・東京藝術大学美術館)(後編)
(前編より) 上野・東京藝術大学美術館では、2016年8月7日(日)までの日程で、滋賀県長浜市の「観音の里」から、40体以上もの仏たちが集まった特別展「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ—びわ湖・長浜のホトケたち—」が開かれている。 滋賀県は国宝を含む国指定... -
「ほほえみの御仏—二つの半跏思惟像—」展(東京国立博物館)
2015年に日本と韓国が国交正常化50周年の節目の年を迎えたということで、そこから企画された、日韓の国宝仏を、双方の国で展示する、という特別展が現在、東京国立博物館で開かれている。 6世紀ごろの古代の日本と朝鮮半島というと、三国時... -
温泉寺(兵庫県豊岡市)— 優美な平安仏を有するロープウェイと直結した山中の名刹
子どもの頃から18きっぷやフリーきっぷ、周遊券などを使って日本全国に出かけていたのだが、山陰にはあまり訪れていない。おそらく3回ほどしか行ってないのではないだろうか。それも、出雲や境港など、限られたポイントでの周遊をしてきただけだ。 今回は... -
西念寺(奈良県天理市)— 宿院仏師の凜々しくも美しい長谷寺式十一面観音
宿院仏師。仏像好きでも、この名前をあまり耳にしたことがない人は多いだろう。かく言う私もつい最近まで全く知らなかった。 宿院というのは地名であり、現在の奈良の宿院町、奈良女子大学の南のあたりのことである。もともとは藤原氏のための春日... -
慶田寺(奈良県桜井市)—「いいお顔」の観音像のヒミツ
桜井市の北辺一帯は独特な雰囲気をもった空間だな、と子どものころからこの地を訪れながら感じてきていた。 それもそのはず、この一体は三輪山をシンボルに、纏向(まきむく)遺跡のあったかつての大和朝廷の中心地として比定されている。さらに卑弥呼の墓... -
阿日寺(奈良県香芝市)— 恵心僧都生誕の地に広がる来迎ワールドと独特な魅力を湛える大日如来
恵心僧都・源信といえば、『往生要集』を著したことで知られる。この書は、後に法然や親鸞へと受け継がれ、平安末期からの浄土信仰の広がりへとつながっていくことになる。その源信が生まれたとされているのが阿日寺(あにちじ)である。 考えてみ... -
額安寺(奈良県大和郡山市)— 深い歴史を静かに物語る彩色美しい日本最古の乾漆虚空蔵菩薩
前回のエントリで取り上げた旧白米寺収蔵庫からは、北西に3キロほど、車で10分ほどの場所にあるのが額安寺(かくあんじ)である。以前よりこちらの虚空蔵菩薩像のことはよく耳にしているのだが、なかなか訪れる機会に恵まれないままであった。今回、ようや... -
旧白米寺収蔵庫(奈良県磯城郡川西町)— 見事な衣紋の堂々たる地蔵菩薩
生まれてこの方、奈良に通うようになってからずいぶんと長い年月が経っているが、その多くは奈良市、斑鳩町、桜井市、室生村、明日香村など、著名な寺院や遺跡のある場所だ。それ以外の場所というと、あまり知らないのが実情である。 今回訪れた場所は、川...