奈良県– category –
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「ほほえみの御仏—二つの半跏思惟像—」展(東京国立博物館)
2015年に日本と韓国が国交正常化50周年の節目の年を迎えたということで、そこから企画された、日韓の国宝仏を、双方の国で展示する、という特別展が現在、東京国立博物館で開かれている。 6世紀ごろの古代の日本と朝鮮半島というと、三国時... -
西念寺(奈良県天理市)— 宿院仏師の凜々しくも美しい長谷寺式十一面観音
宿院仏師。仏像好きでも、この名前をあまり耳にしたことがない人は多いだろう。かく言う私もつい最近まで全く知らなかった。 宿院というのは地名であり、現在の奈良の宿院町、奈良女子大学の南のあたりのことである。もともとは藤原氏のための春日... -
慶田寺(奈良県桜井市)—「いいお顔」の観音像のヒミツ
桜井市の北辺一帯は独特な雰囲気をもった空間だな、と子どものころからこの地を訪れながら感じてきていた。 それもそのはず、この一体は三輪山をシンボルに、纏向(まきむく)遺跡のあったかつての大和朝廷の中心地として比定されている。さらに卑弥呼の墓... -
阿日寺(奈良県香芝市)— 恵心僧都生誕の地に広がる来迎ワールドと独特な魅力を湛える大日如来
恵心僧都・源信といえば、『往生要集』を著したことで知られる。この書は、後に法然や親鸞へと受け継がれ、平安末期からの浄土信仰の広がりへとつながっていくことになる。その源信が生まれたとされているのが阿日寺(あにちじ)である。 考えてみ... -
額安寺(奈良県大和郡山市)— 深い歴史を静かに物語る彩色美しい日本最古の乾漆虚空蔵菩薩
前回のエントリで取り上げた旧白米寺収蔵庫からは、北西に3キロほど、車で10分ほどの場所にあるのが額安寺(かくあんじ)である。以前よりこちらの虚空蔵菩薩像のことはよく耳にしているのだが、なかなか訪れる機会に恵まれないままであった。今回、ようや... -
旧白米寺収蔵庫(奈良県磯城郡川西町)— 見事な衣紋の堂々たる地蔵菩薩
生まれてこの方、奈良に通うようになってからずいぶんと長い年月が経っているが、その多くは奈良市、斑鳩町、桜井市、室生村、明日香村など、著名な寺院や遺跡のある場所だ。それ以外の場所というと、あまり知らないのが実情である。 今回訪れた場所は、川... -
唐招提寺 御影堂供華園—奈良と揚州をつなぐ清楚な瓊花(奈良県奈良市)
室生寺から奈良市へ戻り、久々の秋篠寺に寄ったあと、少しだけ時間が余ったので唐招提寺へ。 唐招提寺ではこの時期、瓊花(けいか)の花が咲き、公開されている。 瓊花は日本では限られた場所にしかないという。鑑真和上が日本に渡る前に住職をしていたの... -
シャクナゲの室生寺(奈良県宇陀市)
春は花の季節。巷にも花は咲き乱れ、気温も暖かくなり日差しも明るく、新たな生命の息吹を感じて何だか幸せになる季節である。 お寺というのはその性質故か、四季を通じていろいろな植物の風景を見せてくれるようにできているようで、春は桜、夏は青々とし...